世界をリードするホテルチェーンであるヒルトンワールドワイド(ヒルトン)は、アニマルライツセンターを含む63の動物保護団体によるキャンペーンを受け「ケージ卵の使用を中止する」という全世界に適応されるポリシーを発表しました*1。
このポリシーは2025年を期限として設定しており、ヒルトンが所有しているホテル、管理しているホテル、フランチャイズ運営している世界中の全てのホテルに適応されます。このポリシーが適応されることで、ヒルトンはホテルで使用する全ての殻付き卵、液卵、卵製品を、鶏をケージに閉じ込めて生産した卵ではなく、鶏が自由に動き回ることができる平飼いや放牧の卵から調達することになります。ヒルトンはこのポリシーを様々な言語に翻訳して発表すること、進捗状況について1年ごとに報告することもこのポリシーの中で発表しています。
私達のキャンペーンが開始されてから24時間以内に、ヒルトンはポリシーを公開しました。市民の声を反映するのが大変早く、動物への思いやりに感謝します。
これまでにも複数の大手ホテルチェーンがケージフリーを宣言しており、そこに今回著名なホテルであるヒルトンが加わりました。新たなホテル業界のスタンダードができつつあります。他のホテルもこれに続き、より一層人道的な食材調達を推進してくださることを期待しています。
ヒルトンが発表したケージフリーポリシー全文訳
ケージフリー卵調達のポリシー
2019年5月8日
2018年に、ヒルトンはトラベル・ウィズ・パーパス*2という、2030年までに世界的な規模で社会的・環境的に前向きな変化を起こすという意欲的なポリシーを発表しました。
企業としての責任を果たすような調達をすることは、私たちのCR活動の戦略の重要な一部です。
2030年までの目標のうちの1つとして、ヒルトンが管理する全てのホテルで使用する鶏肉と卵を、可能な限り全ての地域で持続可能な鶏から調達するというポリシーがあります。
このポリシーは私たちが2015年に発表した、19の国の全てのヒルトン・ホテルズ&リゾーツ、ウォルドーフ・アストリア・ホテルズ&リゾーツ、コンラッド・ホテルズ&リゾーツ、キャノピーbyヒルトン、ダブルツリーbyヒルトンホテルで、2017年末までにケージフリー卵の調達に切り替えるというポリシーを拡大するものです。
2015年に発表したポリシーに関して、私たちは重要な進展を見せています。例えば私たちの最大の市場であるアメリカ、イギリスにおいて、使用する卵のうち70パーセント以上をケージフリーの卵から調達しています。
2018年のCR報告書が示しているように、私たちは各ホテルや生産者と協力して、ケージ卵の供給量や価格の点で困難がある地域も含めてこのポリシーを拡大していきます。
本日よりホテル業界で既にケージフリーを宣言しているその他のホテルの仲間に加わることができることを嬉しく思っております。私たちは全世界のヒルトンのホテル*で使用する卵(殻付き卵、液卵、卵製品)の100パーセントを、2025年までにケージフリーの卵から調達することをお約束いたします。
私たちは今後このケージフリーのポリシーを重要ないくつかの言語に翻訳し、また、進行状況について1年ごとにご報告いたします。
私たちは生産者、市民、そしてホテル業界とパートナーシップを継続し、責任ある調達に関して前向きな、持続可能な変化をもたらすことを望んでいます。
*世界中で所有しているホテル、管理しているホテル、フランチャイズ運営しているホテルの全て
※2019年8月、ヒルトンから日本語訳が出されました。https://cr.hilton.com/wp-content/uploads/2019/07/Hilton-Commitment-Cage-Free-Eggs__Japanese.pdf
背景
ヒルトンは世界的なホテルチェーンであり、「ホスピタリティー業界のリーダー」を自称しています。ヒルトンは展開している106か国のうちの19か国で、ブランドごとにケージフリーのポリシーを持っていました。しかし、ヒルトンはこれらのポリシーを実施することができず、また、その他のホテルチェーンのようにこれらのポリシーを全世界に適応されるポリシーまで拡大することを拒んでいました。
今回の国際的なキャンペーンは鶏の福祉向上を求める動物保護団体の連合であるオープンウィングアライアンス(Open Wing Alliance:OWA)のメンバー団体により行われました。このキャンペーンはヒルトンとベストウェスタンという2つのホテルチェーンを同時にターゲットにしたもので、63の動物保護団体が消費者の代表として参加し、日本からはアニマルライツセンターが参加しています。